親子関係は、親が上であり、子どもが下なのでしょうか?この問いには、「そんなの当たり前だ!」と思う人もいると思います。
一方、「そんなことないけど、そうなってしまう」と言う人、「親も子も平等。同じ目線で向き合いたい」と言う人もいると思います。
どんな親子関係でもそれぞれに物語があります。その家庭でそれぞれのやり方や関わり方がありますよね。
でも、親の方が力を持っているからこそ、忘れてはいけないこと、気を付けなければいけないことがあると思います。
普段、子どもにどんな言葉をかけて、どんな態度で接しているのか振り返って、考えてみましょう^^
子どもにかける言葉

普段の生活であなたは子どもにどんな言葉をかけているでしょうか。
いつも優しく、正しく、完璧な親である必要はありませんが、親という立場から子どもに一方的に言葉をぶつけてはいないでしょうか?
「〇〇しないで」「早くして」「ちゃんとして」「何でできないの」子育てをしていると、時間や気持ちに余裕がなく、こんな言葉を言ってしまうこともあると思います。
「急いでいるから、今早くしてほしい」「人前だからちゃんとしてほしい」「こうしてほしいのに、何でしてくれないの」
その言葉は生活していく上でよくあるものかもしれませんが、これは大人の目線から見た、大人の都合なのだと思います。
しかし、こういった気持ちは誰にでもよく分かることです。人間なのだから、生活しているのだから、思ってしまうのも仕方のないことだと思います。
さらに、仕事があったり、保育園など決められた時間があると、子どものペースに全て合わせるということもできません。
でも、少なからず大人の都合や生活のペースに子どもを合わせなければいけないからこそ、子どもの気持ちを考えることが大切なのだと思います。
イライラしながら、ただ「早くして!」と言うのと、「ごめんね。〇〇に行かなきゃいけないから、今は急いでほしいんだ」と言うのとでは感じ方が全く違いますよね。
ただ、誰でも最初はそうして優しく言えるのかもしれません。でも、子どもがいつもそれを理解してくれるとは限りません。
毎日のことだし、優しく言ったり、丁寧に説明したところで分かってくれない、どうせやってくれないとなると、どうしても短い言葉で強く言うようになってしまうのかもしれません。
子どもの人格を作る

でも、そういう言葉や態度のやりとりが子どもの人格を形成していくことを忘れてはいけません。
一方的に親の気持ちや言い分を押し付けられ、自分の気持ちを聞いてもらえない生活が続くとどうなるのでしょうか?
言いたい気持ちを言えずに押し込めて育つと、その苦しさを抱えた子どもはどこかで爆発してしまうかもしれません。
しないとしても、子ども自身が苦しいですよね。人と関わることや自分の気持ちを相手に伝えることが苦手になってしまったり、自分に自信が持てず、悩んでしまうかもしれません。
子どもが幼いうちに、十分に愛情を注がれる経験や親が自分を肯定しててくれることは子どもの自尊心を育て、自信がついたり、「やってみよう!」という意欲に繋がります。
親子関係を作る

また、そういった子どもの頃からの関わり方が、大切な親子関係の基礎を築くことになります。
子どもが小さいうちは言うことを聞いてくれるかもしれませんが、子どももある程度大きくなってくると、嫌なことは反発するようになってきます。
理不尽な対応をされていることに子どもが気付くと、きっと親の言うことも聞いてくれなくなります。
大きくなってから反発され、「何でうちの子は…」と言っている家庭では、子どもの気持ちを今も昔もちゃんと聞くことができているでしょうか?
親の言うことを素直に聞く、真っ直ぐだった子どもを、親がそうなるようにしてしまった結果だと思います。
反発することが悪いわけではなく、そのときに子どもの気持ちをちゃんと聞くこと、理解しようとすること、気持ちを伝え合うことが大事です。
誰だって、一方的に押し付けられていたら、嫌になりますよね。それを、自分の子どもだから、まだ小さいからという理由で、自分の思い通りに動かしていい理由にはなりません。
何か理由があったときは、ちゃんと説明して、「ごめんね」や「ありがとう」を親こそ、忘れないようにすることが大切です。
そして、子どもの気持ちを受け止めて、向き合うこと。これを忘れなければ、時間がかかったとしても子どもと分かり合うことはできるのだと思います。
ある親子のやりとり

つい先日、病院で順番を待っている親子のこんなやりとりを見かけました。5〜6歳くらいの子どもを一人連れているお母さんでした。
その日は、混んでいて待ち時間が長かったので、恐らく「まだ?」というようなことを子どもが言ったのだと思います。
それに対し、お母さんは「待っているのはあんただけじゃないの!みんな待ってるの!」と強く言い、言われた子どもは黙ってしまいました。
みんな待っているし、混んでいるので待つのは仕方のないことですが、子どもは静かに待っていたし、駄々をこねている感じでもありませんでした。
わたしには聞こえないくらいの声で「待ち時間が長い」ということを言っただけだと思います。
親子はいつも一緒にいて、その表面上のやり取りしか見ていないわたしにはその親子の関係性や普段のやりとり、これまで積み重ねてきた時間は分かりません。
でも、「そんな言い方しなくてもいいのになぁ」と感じてしまいました。さらに、子どもはお母さんの足を何やら揉んでいて、お母さんは「気持ちいいわ〜」と言っていました。
恐らく、子どもが自分でしたことだと思いますが、そこに親子の関係性を見たのでした。
子どもが親に喜んでほしくて、何かをすることは悪いことではありません。誰でも好きな人に喜んでもらえると嬉しいものです。
でも、わたしには子どもが純粋に楽しんでやっているようには見えませんでした。気を遣って、機嫌を取ろうとしてやっているように見えたのでした。
この子の本当の気持ちは分かりませんが、子どもが小さいころというのは、子どもにとって親とは絶対的な存在です。
安心して自分の思いを受け止めてもらえる相手でなければ、逆らうことや反抗することは難しくなります。
子どもが喜怒哀楽の感情を表現しているということは、素直に気持ちを出せているということです。
でも、見かけた親子の場合、お母さんの声しか聞こえず、子どもの言葉は何も聞こえてきませんでした。
そして、怒られたあとに足をマッサージするという行動。「こうしたい」のではなく、「こうしなきゃ」と思ってしまったのかなと思いました。
怒られた後というのは、誰でも気まずくなるものですが、親と子どもは少なからず立場が違い、上下関係ができてしまいやすいので、そのことを親は自覚する必要があります。
子どもが親の顔色をうかがったりしなくていいような、親子関係を作ることが大切です。
言いやすい相手

人は、自分より力の弱い者や立場の低い人、言葉をうまく話せない人に対して強く当たってしまうことがあります。
普段はそんなことはしなくても、時間がなく忙しいときやイライラしているとき、情緒が不安定なときなど、気持ちに余裕がないこともあります。
そういうときに、子どもや赤ちゃん、動物など、自分よりも力が弱くて言葉を話せない相手に八つ当たりしてしまうことは誰にでも経験があるかもしれません。
誰にでもするわけではないのに、そういう八つ当たりをするのは、自分より弱くて、言い返してこない、言葉が話せないことを分かっているからです。
分かっていて、この相手なら大丈夫だと甘えているのだと思います。どうしても心に余裕がなくて当たってしまうことは誰にでもあります。
それをいいとは言えませんが、ハッと気付いたとき、正直に「ごめんね」と謝れるか、抱きしめられるかは大きなポイントだと思います。
相手に甘んじて、自分を正当化するのではなく、ちゃんと自分のやっていることを振り返らなければいけません。
そうでないと、誰も見ていないところで繰り返してしまいます。エスカレートしていくと、相手を傷付けてしまうかもしれません。
そうなる前に、今自分にできることを考えることが大事です。
自分より弱い相手にだけ八つ当たりをするのは、自分が弱い証拠です。でも、弱くてもいいんです。その自分の弱さを認めて、受け止めることが第一歩です。
自分だけが悪いとか、自分一人で頑張らなければならないのではなく、一人で抱え込まないことが重要です。
自分一人だけで抱えずに、パートナーや友人、家族など、話せる相手が身近にいない場合は電話相談でもいいと思います。
苦しいとき、どうしたらいいか分わからず困っているときは、できるだけ早く、勇気を出して相談してみましょう^^
パートナーだけでなく、いろんな人の力を借りて、力を合わせて一緒に育てていく子育てでいいのだと思います。そんな子育てが、今の日本には必要なのだと思います。
パートナーや家族は他人事ではなく、みんなが笑って過ごせる子育ての仕方をぜひ一緒に探してみてください^^
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