虐待はなぜ起きてしまうのか?虐待を引き起こす要因と背景

小さい女の子のモノクロ写真 子どもの福祉

連日、ニュースでは親や内縁の夫などによる痛ましい子どもの虐待事件が報道されています。でも、それはニュースで流れるだけの他人事ではありません。誰の身にも起こりえる身近な問題なのです。

ニュースで虐待事件を目にすると、「自分の子どもを虐待をするなんてひどい親だ」と怒りを感じるかもしれません。

ですが、虐待をしてしまった人だけに原因があったのでしょうか?どうしてそんな状況になってしまったのか、その背景を紐解いていけば、それまでに止める手立てがあることに気付きます。

虐待は自分自身や家族、友人、近所の人、誰にでも起こりうる問題です。この問題をできるだけ身近な問題として関心を持って向き合うことが大切です。

どうすれば虐待する親も虐待される子どもも減らすことができるのでしょうか?そのことを考えるためにまずはどうして虐待が起こってしまうのか考えていきましょう。

なぜ虐待は起こってしまう?

黒の背景にたたずむ女の子

自分の子どもを虐待してしまう親はどんな人物なのでしょうか?初めから凶悪な人間だったでしょうか?それはきっと違います。

子どもを可愛がり、一生懸命育児をするどこにでもいる平凡な家庭の親であったり、母子家庭や父子家庭で子どものために一生懸命働きながら子育てをする人だったかもしれません。

どんな人でも虐待をしてしまう危険性はあるのです。凶悪人だけが犯罪を犯すわけではありません。そこに至るまでに自分自身を止められなかった、止めてくれる人がいなかった結果なのだと思います。

そして、初めから凶悪な人間なんていうのもいないのだと思います。誰でもまっさらな状態で生まれてきます。本能的に親を求め、愛情を求め、安心を求めます。その中で、非行に走ったり犯罪を犯してしまう人は必ず人間関係につまづいています。

小さな子どものころに、親から十分な愛情を受けることができなかったり、虐待を受けていたり、異常に厳しい教育をされていたり、家庭の中が安心できる環境でなかったというケースは少なくないと思います。

他にも、学校での友人関係、いじめ、職場でのストレス、パワハラなど、人が大きな悩みを抱えやすいことにはすべて人が関わっています。

人との関係の中で、人に認められたい、求められたい、受け入れられたいという欲求が誰の中にもあります。それを、理不尽な形で奪われたとき、手に入れることができなかったとき、深く傷付きます。

しかし、多かれ少なかれそういった経験は誰でもすることでしょう。悩みを抱えたり、失敗や挫折、それ自体は生きていく中でごく自然なことで大きな問題ではないのです。

一番大切なことは、それを話せる人がいるかということです。辛い出来事があったとき、最終的にその問題と向き合って乗り越えていくのは自分自身です。

それでも、苦しいとき、辛いとき、悲しいとき、助けてほしいとき、そばにいてくれる人や話を聞いてくれる人、助けてくれる人、支えてくれる人がいれば、それは一人であるのとはまったく違います。

一人でなければ、そこから時間がかかったとしても問題に立ち向かったり、挫折から立ち直ったり、何とかしようと前を向くことができます。

誰かが見守ってくれたり、応援してくれる、味方でいてくれるということは、それだけで大きな力になるからです。

非行に走ったり、犯罪を犯してしまう人の多くはその人間関係で苦しみを抱えています。問題を起こしてしまうその背景あるのは孤独だと思っています。

誰かによって苦しめられたり、自分だけでは痛みを抱えきれないときに、そばにいてくれたり手を差し伸べてくれる人がいなかった。そうした孤独が事態をどんどん悪くしていきます。

自分自身の心が満たされず、荒んだ状態であったり、子どもの愛し方が分からない、かわいいと思えないなど、虐待をしてしまう親は色々な問題を抱えていますが、その問題の根底にあるのは孤独という苦しみだと思います。

孤独が問題を悪化させる

人形と膝を抱えてうつむく女性

目に見える数字としての虐待件数は多くなっていっていますが、それは氷山の一角で明らかになっていない、保護されていない虐待案件はその何倍もの数にのぼると言われています。

虐待により子どもが保護されたり、時には命を落としてしまう事件が起きたりしてしまいます。それは何が問題だったのでしょうか?

虐待をしてしまう、そんな事態を招いてしまったのは、単純な1つの原因ではありません。いくつもの問題が積み重なって、絡み合って、親自身もどうにかしたいがどうしたらいいか分からない。

人に助けを求めたり、頼ったりすることができないことで、問題を解決することができず、次第に精神的に追い込まれていきます。そして、最終的に冷静に考え、自分をコントロールすることができなくなってしまいます。

問題を悪化させてしまう要因は、虐待を行った親が孤独に陥ってしまうこと。母子家庭や父子家庭であったり、パートナーが協力的でなかったり、家庭が冷め切ってしまっていたり。

人と関係を築くことが苦手で、ママ友や近所の人とうまく関われないことも孤独を深めていく要因となります。

夫や義両親、友人やママ友、近所の人など、人間関係の中で悩むことは誰にでもあると思います。そんなとき、相談できる人がいれば、虐待という一線を超えるまで追い詰められてしまうことはなかったのかもしれません。

育児に悩むことはどんな親にもあることだと思います。そんなとき、やはり誰かに話を聞いてもらうと思います。パートナーであったり、親、友人、きょうだい、ママ友など。

愚痴を言ったり、弱音を吐いたり、悩みを打ち明けたり。そうして、心の中の苦しみやもやもやを吐き出して、心の均衡を保ちます。しかし、こういった悩みごとを打ち明けられる人がいないと、一人で抱え込むことになってしまいます。

実際に虐待にまで発展してしまうのは、孤独になった親が誰にも頼れず、誰にもその苦しみを気付いてもらえず、手を差し伸べてもらえなかったからだと思います。

それを変えられるのは、わたしやあなたかもしれません。誰か一人でも、話を聞いてあげられたり、気持ちを理解することができたなら、状況は変わっていくと思います。

子育ては誰のもの?

海辺で小さな子どもを抱いている男性

何かあったときに相談することができる大事な存在は人によって違います。パートナーの場合もあれば、親であったり、友人であったり、きょうだいであったり。

しかし、自分にとって頼れるはずの存在が亡くなってしまったり、関係性が変わってしまったり、相談できる人が見つからなかった場合、ひとりで問題を乗り越えていくということはとても困難です。

本来なら、相談することで気持ちを落ち着けたり、解決方法を見つけることができても、悩みを聞いてくれる相手を失ったり、見つけられないことで、悩みを吐き出せる場所がなくなります。

そして、大きいのは人生のパートナーの存在です。夫が外で仕事をしているならば、子育ては妻がするもの、子どものことは妻の責任。実際に、そんな家庭もあるかもしれません。

でも、子育ては誰かが一人でだけがするものではありません。夫婦2人の遺伝子を受け継いで生まれてきた命、また里子や養子は血は繋がっていなくても夫婦で育てようと決めて引き取るはずです。

ひとりの人間を育てることは簡単なことではありません。お互いに仕事や家事をしながらで忙しかったり、疲れていたりもしますが、妻も夫も完璧ではありません。

だからこそ、2人で力を合わせてお互いに足りないところを補い合って生きていくのです。そして、そうやって子育てをしていくことが夫婦関係にとっても、子どもにとってもすごく大事なことです。

さらに、夫婦だけでなく、その両親や近所の人、保育園などの子どもを預かる機関など、できるだけ多くの人の目で子どもを見守り、育てていくことが親が孤独に陥ったり、ひとりで問題を抱え込むことを防いでくれます。

次回は、虐待を繰り返してしまう親とその取り巻く状況について話していきたいと思います。次回の記事はこちら▽

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