里親ってどんなもの?里親になるための7つのステップ

子どもを抱きしめる男性 子どもの福祉

前回は、親元で暮らすことのできない子どもを家庭に近い環境で育てるファミリーホームについて紹介しました。

親の病気や離婚、虐待や経済的な問題など様々な事情で家庭で暮らせない、社会的養護を必要としている子どもたちはたくさんいます。

社会的養護とは、元の家庭でなく乳児院や児童養護施設、里親家庭など、公的な責任のもとで子どもを養育することをいいます。

日本は里親制度の認知度が低く、世界の国と比べて、里親の数がとても少ないです。社会的養護を必要としている子どもの8割以上が施設での生活をしています。

里親のことを一人でも多くの人に知ってもらうことで、乳児院や児童養護施設などの施設で暮らす子どもたちが少しでも多く、相性の合う里親さんと出会って家庭で暮らせるようになることを願っています。

そこで、里親とはどんなものなのか?里親になるためにはどんなことが必要なのか?紹介していきます!

里親ってどんなもの?

手を繋いでいる男女と手に持った小さな靴

まず、里親とはどんなものなのでしょうか?里親とは、様々な事情により家庭で生活することができない子どもを自分たちの家庭に迎え入れて養育する人のことをいいます。

里親になるには、決められた手続きを取り、必要な知識を身に付け、委託する子どもの養育を正式に認められる必要があります。

里親にはどんな種類があり、どんな手続きが必要なのか順番に見ていきましょう。

里親の種類

小さな女の子を抱き上げる男性

里親には、いくつか種類があり、種類によって、委託される子どもとの関係が異なります。里親の種類は以下のものがあります。

  1. 養育里親
  2. 特別養子縁組里親
  3. 季節・週末里親

1.養育里親

0~18歳までの保護された子どもを一定期間、自らの家庭に迎え入れ、養育する里親のことです。一定期間というのは、子どもが生みの親との関係を修復し、家庭に戻るまでの間や子どもが自立するまでの間などです。

2.特別養子縁組里親

「特別養子縁組」とは、養子となる子どもの生みの親との法的な親子関係を解消し、里親が実の子どもと同じ親子関係を結ぶ制度のことです。原則、15歳未満の子どもが対象です。

3.季節・週末里親

週末や長期休みなどを利用し、子どもを家に迎えて一緒に過ごす里親のことです。

  • 数日から1週間程度の短期間なら、預かることができる人
  • 子どもと実の親子関係となり、その後の人生を家族として一緒に過ごしていきたい人
  • 子どもにとって必要な期間、一時的に子どもを預かり、自分たちの家庭で子どもを育てていきたい人

など、受け入れることのできる期間や目的に応じて目指す里親の種類が変わります。

里親になるためには?

小さな女の子を抱き上げる女性

里親になって、実際に子どもを家庭に迎え入れるまでにはいくつかのステップをクリアする必要があります。まずは、里親登録をします。

里親登録の7つのステップ

里親認定までに必要な手続きと認定までの流れを説明します。

里親登録の7つのステップ
  • STEP1

    児童相談所へ問い合わせる

  • STEP

    面談で申請要件を確認する

  • STEP

    里親認定前研修(座学)を受ける

  • STEP

    里親認定前研修(実習)を受ける

  • STEP

    里親登録の申請書類を作成・提出する

  • STEP

    家庭訪問を受ける

  • STEP7

    里親認定部会での審査を経て、認定・登録

児童相談所へ問い合わせる

住んでいる地域に児童相談所があるので、里親登録をしたいことを伝え、面談をする日にちを決めます。

また、里親についてよく知らない、里親になるかどうかまだ決めていないが相談したい、といった場合も相談に乗ってくれると思うので、気軽に問い合わせてみるといいと思います。

面談で申請要件を確認する

面談では、里親制度の概要についての説明や里親に必要な要件について話を行います。どのようなことを話すのかというと、

  • 里親への志望動機
  • 家族構成
  • 家庭の経済状況
  • 住宅の環境
  • 里子の希望条件
  • 家族の同意を得られているか
  • 夫婦の健康状態

などです。どうして里親になりたいと思ったのかや、里子を無理なく育てられる収入があるのか、家の中に里子の部屋を確保できるかなどを確認されます。

また、何歳くらいの子どもを里子として迎え入れたいのかや、家族の理解を得られているのかについても聞かれます。同居しているかによらず、親や実子の理解を得られておらず、後にトラブルになることを避けるためです。

他には、里親についての質問をしたり、不安なことについて相談することもできます。この段階で、里親になると決めていなくても問題はなく、話を聞いてからもう一度里親登録をするかどうか考えることもできます。

里親認定前研修(座学)を受ける

里親認定前研修は座学が2日、実習が2日あり、夫婦そろって参加する必要があります。研修会場では、

  • 社会的養護と制度説明
  • 養護原理
  • 小児医学
  • 発達心理学
  • 児童福祉論
  • 里親養育援助技術
  • 里親養育演習

などについて学びます。親元で暮らすことのできない子どもについてや、里親制度の基礎や里親養育の基本、児童虐待、子どもの心や発達について学んだり、体験談を聞いたりします。

里親認定前研修(実習)を受ける

実際に子どもたちが生活している施設に行き、子どもたちの生活風景を見たり、子どもたちとふれあいます。

その中で、職員が子どもたちを養育する上で大切にしていることやどんな思いを持って子どもたちに接しているかなどの話を聞き、施設での生活について学びます。

また、子どもたちと遊んだり一緒に食事をとったりする中で、どんな子どもたちがいるのかを知ったり、子どもたちとの関わり方を学んだりします。

実習は夫婦別々の空間で行われるので、子どもたちと関わってみてどう感じたのかを夫婦で共有して、正直な気持ちや考え方を整理していく必要があります。

実習を終えると職員との振り返りの時間があるところもあるので、どう対応したらいいか分からなかったことや疑問に感じたことなどは職員の人に質問しておくといいと思います。

里親登録の申請書類を作成・提出する

研修を受けて詳しく話を聞いて、やっぱり里親になるのは難しいと感じる場合もあるので、その時は申請をやめることもできます。

研修を経て、里親や家庭で暮らせない子どもたちについて学び、実際に施設で子どもたちとふれあって、それでも夫婦で里親になりたい気持ちが変わらず、その意思が固まったら、児童相談所に里親認定登録申請書を提出します。申請書には、

  • 夫婦の経歴や住居、経済状況
  • 里親希望の動機
  • 里子に対する関わり方や育て方
  • 家族や親族の理解が得られているか
  • 希望児童(年齢・性別)
  • 里子を認定前研修の受講レポート
  • 自宅の間取り図、自宅付近案内図

などを記入します。夫婦それぞれの考えを記入する必要があるので、それぞれがしっかり里親について考えること、また里子を育てることについて夫婦でよく話し合っておくことが大切です。

家庭訪問を受ける

申請書の提出ができたら、児童相談所や里親支援機関などの職員による家庭訪問が行われます。子どもが安心して生活できる家庭環境か里親になる要件を満たしているか確認されます。

同居する家族がいる場合は、同居する家族も全員集まって聞き取りが行われます。里親になる夫婦だけでなく、実子や夫婦の親などが里子を迎え入れることについてどう考えているのかを話します。

新しい家庭の中に入っていく子どもにとって、新たな居場所が居づらい場所とならないように、家族みんなが里子を受け入れる必要があります。

申請書に基づきながら、里親になる要件を確認し、夫婦自身のことについても聞かれます。これは、夫婦の考え方や価値観、人柄や夫婦のやり取りの様子なども見て、子どもを本当に任せられるのか確認するためです。

この時に、子どもを受け入れることについて分からないことや不安なことがあれば、隠さずに正直に話しておきましょう。

話を聞いてもらうことで安心できたり、子どもを受け入れる心構えや行き詰まった時に相談できる場所などいろんなアドバイスをもらうことができると思います。

里親認定部会での審査を経て、認定・登録

里親に認定・登録されるためには、里親認定部会の審議に通る必要があります。里親認定部会では、申請書類の内容や家庭訪問をした状況などをふまえて、有識者によって里親になることが適しているか審議されます。

里親認定部会は、児童福祉の専門家や精神科医、弁護士など様々な職種の専門家により構成されており、いろんな角度から里親として適格かどうか判断されます。

里親認定部会で里親として適していると認められると、自治体の知事により認定され、ようやく里親登録ができるようになります。

里子を迎え入れるために

笑っている3人の親子

里親として認定され、里親登録ができると児童相談所から「里親決定通知書」が届きます。里親登録をしたからといってすぐに里子を迎えることになるとは限らず、子どもの委託依頼がくるまで連絡を待ちます。

そして、里親を検討している子どもがいると連絡を受けると、まずは会いに行って面会をします。何度か面会をし、一緒に出かけてみたり、家で一緒に過ごしてみたり、外泊を重ねたりして少しずつ交流を深めていきます。

その中で、子どもの様子や気持ち、里親希望の夫婦の気持ちなどを確認しながら、正式に委託されるかどうか決まります。

正式に委託されるまでは3~4ヶ月の時間をかけて、子どもと交流をしていきます。中にはなかなか心を開いてくれない子どももいますが、焦らず、ゆっくり、肩の力を抜いて関わっていくといいと思います。

「早く子どもを迎えたい」という思いや、「この子を絶対迎えるんだ」と焦ってがんばりすぎると心や体のバランスを崩してしまうこともあります。無理をして、里子を受け入れられなくなってしまっては本末転倒です。

できるだけ、子どもの前でも自然体でいつも通りの調子で過ごすことができるといいですね。そして、子どもが安心できる関係をゆっくり時間をかけて築いていきましょう。

これで里親になるための7つのステップの説明は終わりです。次回は、「里子を迎えたらどうしたらいいのか?」や「どんなことに気を付けたらいいの?」ということについて紹介したいと思います。こちらも合わせて読んでみてください^^

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