いくつかの児童養護施設施設で働いていた中で感じた、働く上でのしんどさや大変さ、必要だと感じたものについて考えていきたいと思います。
福祉施設に就職したり、より自分に合ったところや、やりたいことに合うところへ転職したいという人が、施設を選ぶときに何を重視すればいいのか、どういう視点で施設を見ればいいのか参考になるように考えました。
そして、施設で働く人が働きやすくなるように、どんなことが課題としてあって、どんなものがあれば状況が改善していけるのかについて考えてみます。
当時、しんどかったこと

働いていた当時、しんどかったものについて挙げてみます。
この中でやっぱりキーは「人」なんだなということが分かります。ストレスやしんどさを抱える原因の多くは職員に関することでした。
子どもたちが起こす問題行動にも悩んだり、対応が大変だったりもしましたが、わたしが感じたしんどさはそれ自体よりも、それによって他の職員から「一体どうなってるの?」と思われることでした。
全然自分だけじゃ手に負えないような問題が起こっていても、施設全体で考えていこうという雰囲気はなく、担当やブロック制だったので、その担当の責任、ブロックの責任という風潮がありました。
また、露骨に嫌な態度や冷たい態度を取る職員がいたことによって仕事がやりづらく、心の中にはいつも鉛が沈んでいるようでした。
理不尽で威圧的に接してくる上司には、一体どう対応したらいいのか分からなかったし、単純に怖かったです。そこにいるだけでも恐怖な存在で、話をしに行かなくてはいけないときはいつも緊張していました。
そういった職員と接しなければいけない中で、常にしんどい気持ちや緊張した状態が続いていくと、心が窮屈になっていって、それによるストレスが大きかったです。
そんな、子どもたちへの対応や支援という部分から外れたところでパワーを削ぎ取られていくような感覚でした。
一番は子どもたちのため。そのために職員同士の協力や良好な関係が不可欠で、その関係次第で子どもたちのためにできることや職員の精神状態が大きく変わってくる。
だからこそ、施設で働く上で一番大切なのは「人」なのだと思います。
施設の体制に課題があったり、子どもたちが問題を抱えていても、みんなでどうすればいいか考えたり、力を合わせて協力していくことができれば改善していけます。
仲間を大事にし合うことができれば、職員も辞めにくく、どんなことだって乗り越えていけるのではないかなと思います。
当時、ほしかったもの

次に、当時しんどいと感じる状況で働いている中で、ほしかったもの。
ここでも、やはりキーは「人」ですね。子どもたちはいろいろな問題や課題を抱えて施設にやってくるので、大変なことがあって当たり前です。
それでも、子どもたちが安全に安心して暮らせることを守りつつ、その子どもたちの抱える問題や課題に一緒に向き合っていくのが施設で働く職員の仕事です。
ただ、それは簡単なことではないし、一筋縄ではいきません。だからこそ、そこで働く職員が力を合わせて、助け合って、その問題に向き合っていかなければいけないのだと思います。
自分が直接関わっている子ども、自分の所属している部署以外のことは他人事。施設内で起こっているらしい問題も、そこの部署の人が何とかするだろう、という雰囲気がありました。
もしかしたら、実際はそこまで冷たい考えではなかったのかもしれません。
しかし、わたしはかなり問題が深刻な子どもの担当だったので、当事者として、毎回会議でその報告をして今後の対策を必死に考えて話すのは、針のむしろに座っているようでした。
わたしの被害者意識…も、もしかしたらあったのかもしれません。こちらから働きかけると相談に乗ってくれたり、協力してくれる職員もいました。
ただ、振り返って思うのは、そもそも特定の誰かだけに任せていい問題ではなかったのだと思います。みんなで考えなければ職員は潰れてしまいます。
子どものためにも、いろんな職員のアイデアや考えで幅広く考えられた方ができることも増えるのではないかなと思います。
子どもをみんなで支える、その子どもを支える職員をみんなで支える。この構図が重要で、これがないと自分に関係あるのは自分に関わることだけ、になってしまい施設の中がバラバラになってしまうのだと思います。
いい環境で働くには?

いい環境とはどういうものでしょうか?自然環境、または交通の利便性、施設のハード面の環境が整っている、残業や休日出勤がない、給料が十分であるなど色々ありますね。
人によって何を重要視するのかは違います。どれも大切かもしれませんが、全部を叶えようとするのではなく、自分の中で優先順位をつけるといいと思います。
給料の金額を優先するのか、利便性や休息がしっかり取れることを優先するのか、やりがいや仕事内容を優先するのか。
優先順位の高いものがより満たされる職場を探すといいですね。ただ、どこで働くにも人間関係というのはついて回ります。
職場の人間関係は、そこでの働きやすさや楽しさ、充実感などに大きく影響します。また、心や体の健康、長く働き続けられるかにも影響してきますよね。
それほど大事なことなんです。では、「職場の人間関係が良好なところを選びたい!」と思っても、大変なのは「どこが人間関係がいい施設でどこがそうでない施設なのか」見分けるのが難しいということです。
施設見学や体験に行っても、最初は緊張していたり、子どもたちとの対応でそれどころではありませんよね。それに、表面上のやりとりを見ているだけでは本当の人間関係までは見えません。
これは、その施設の中に入ってみないと分からない…というのが実際のところです。
でも、就職してから「こんなところだったとは…」ということになるのは避けたいし、思ったところではなかったからと言ってすぐに辞めるというのも難しいですよね。
なので、できるだけいろんな施設を調べてみて、条件に合うところを絞っておきます。
そして、ここで働きたいなというところがあれば、ボランティアやアルバイト、体験などを早めの段階でさせてもらえないか聞いてみるといいと思います。
人手が足りないところも多いと思うので、そうして施設の中で職員や子どもと関わってみて、分かることや感じることはあると思います。
施設の中で、子どもたちやその利用者さんたちに目がいきがちですが、職員の態度や立ち振る舞い、口調や雰囲気をよく見ておくと、その人がどんな人なのか分かってくるはずです。
そして、子どもたちが自然と集まる職員、子どもたちが嬉しそうに楽しそうに接している職員がいたらよく観察してみてください。
そして、その職員と他の職員の違いを見つけられたら、その施設の中でどういう人がいるのか見えてくると思います。
もちろん、いろんな性格の人がいていいのですが、大事なのは子どもや他の職員に威圧的な人がいないか、職員同士がよく話し、連携できているか、助け合える職場であるかどうかです。
すべてを把握することは無理ですが、そういう視点で広く施設の中を見てみると、突然入社しただけでは分からなかったことが分かると思います。
体験やボランティア、アルバイトをする中で、そこで働く職員や暮らしている子どもたちと時間があればいろいろと話をしてみるのもいいと思います。
少しでも、自分に合った職場で楽しくイキイキしながら自分の力を発揮できる人が増えますように願っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました^^(ぺこり)
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