<青年海外協力隊>悩んだ末に決めた任期短縮という決断

ハットを深く被る赤ちゃん 青年海外協力隊

前回は、わたしが青年海外協力隊として派遣されたアフリカ・ガボンの孤児院でのボランティア活動について紹介しました。そして、いろんな試みをしていく中で芽生えた葛藤。「自分にできることは何なのか?」と自問自答する毎日でした。

配属先である孤児院でやってみたことについてはこちら↓↓

<青年海外協力隊>アフリカ・ガボンの孤児院でやってみたこと
わたしは青年海外協力隊として、発展途上国であるアフリカのガボンに派遣されました。今回は、わたしの配属先である孤児院でや...

自分に出来ることは何か

小さな男の子とクマのぬいぐるみ

自分の活動のかたわら、この孤児院にも通って身体障害のある子どもたちにリハビリをしてくれる隊員仲間がいました。彼女のおかげで、リハビリに興味を持ち、リハビリの方法を教わって自分もやってみようとする孤児院のスタッフも出てきました。

「やらなくてもいいこと」を自らやろうとすることは、すごいことです。ここでは特に、自分のタイミングで孤児院に来て、なんとなくそこにいれば誰かに何か言われることがない。その環境で何か+αのことをしようとできる人はなかなかいません。

それでも、そんな環境でも影響を与えられる人、伝えられる技術があるということを目の当たりにしました。

何か特別なスキルや技術を持たないわたしには、スタッフに教えられる専門技術がなく、それは初めから分かっていたことでしたが、自分の力不足を感じていました。

畑の作業についても簡単なことのようですが、スタッフと協力して畑での活動を実現するまでにとても時間がかかりました。

自分だけで何かをするんじゃなく、スタッフと一緒に取り組むこと、いずれスタッフ主導でやるようになってくれることが必要だと思っていたからです。

何とか一緒に活動をしてもらいたいと思っていましたが、現地の人にとって施設の役割は保護された子どもが「そこで生きて生活できていること」で完結しているように感じました。

わたしが、「こんなことをしてみては」と提案すると「それは良いことね!」と言ってはくれますが、それを自分が積極的にしよう、という考えにはならない様子でした。

そういった子どもへの支援に対する考え方や価値観に差があり、どうしていけば良いのか考え続ける毎日でした。

理想と現実のギャップ

不安そうなアフリカの小さな男の子

実際にガボンに行ってみて気付いたことはボランティアに対する考え方に日本と現地とでは認識の違いがあるということでした。

発展途上国が出した要請から、実際にボランティアが派遣されるまでの間に、組織のトップが変わっていることもあり、派遣された時にはボランティアが必要とされていないという現状も起こります。

また、ボランティアと一緒に現状を良くしていこうとする現地人ももちろん中にはいると思いますが、「日本から来たの?じゃあ好きにしていいよ」という感覚の人が多いようです。

なぜなら、日本人ほど現状に課題を感じていない、改善する必要があるとは思っていないことが多いからです。日本にいると、衛生的で環境が整っていて教育もしっかり受けられることが多くの人にとって当たり前になっています。

そんな環境を知っているので、途上国に行くともっと改善すべき点が見えてきます。でも、現地では整備されていないインフラや足りない物資、十分な教育ができないことも「いつものこと」なのです。

そこで何とかしようとする人がいないのは少し残念でもありますが、不便なら不便な中で生活をしていく。それがそこでの当たり前なのだと気付きました。

それでも、少しでも状況が良くなれば…と思いましたが、現地の人は誰かがやってくれる分には良いけど自分たちが必死に何かを変えるという考えではないようでした。

そのことに葛藤しつつも、手探りで思い付くことをやってみましたが、拙いフランス語で現地のスタッフや子どもたちとのコミュニケーションもままならず、悩み通しの1年間でした。

わたしは、特別な資格や技術を持っていないので、児童養護施設で働いた経験を活かせる青少年活動という分野に応募しました。

しかし現地の人に伝えられる専門技術があるわけではないので、これまでの経験を活かして子どもたちの心に寄り添って何か困っていることに少しでも力になりたいと思っていました。

日本で働いていたころは、自分の役割があり、自分が仕事をすることで子どもたちや職員、保護者さんなど誰かの役に立つことができていました。

しかし、ここでは現場に来ても自分の役割があるわけではなく「自由にしてていいよ」という状態で、「これを改善したい」と現状を変えたいと思っている状態ではなかったのです。働いているスタッフとしても、子どもたちにこれ以上の支援が必要とは感じていないようでした。

女の子たちの困りごと

水辺で膝を抱えて座る女の子

<施設の女の子たち>

編み物をするアフリカの少女

時間がある時に編み物をしていた女の子。慣れた手つきでとても上手です。

ポーズをとったアフリカの女の子たち

なんと、自分たちが着る服になりました!す、すごい!

そんな女の子たちに何か困っていることはないか聞いたところ、唯一、出た意見はナプキンが足りないということ。ナプキンがないために、生理になるとナプキン代わりに布を当てていますが、経血が染み出してきてしまう、というものでした。

施設長になぜそんな状況なのか、ナプキンを買うことは出来ないのか聞くと、「備品を買う人がやってないだけ。だからわたしは知らないわ」という返事が返ってきました…。

それを買う人に指示して買ってあげてほしいと訴えましたが、同じやりとりの繰り返しでこちらの意図が上手く伝わりません。

資金面の問題もあるのかと思い「では、繰り返し使える布ナプキンを作ってみないか」と提案しましたが「繰り返し使うのは衛生的じゃない」と言われてしまいました。

きちんと洗って干せば良いことも伝えましたが、やはり上手く伝わらなく、「ナプキンは買える」と言うのでとにかく女の子たちのために準備してあげてほしいと伝えることしかできませんでした。

活動に対しての葛藤

手で顔を覆う小さな男の子

わたしは、現地スタッフと一緒に子どもたちの為に活動していきたいと思っていましたが、現状に問題を感じていないので意欲的に協力してくれるスタッフは少ないのが現状でした。

一緒にやろうと働きかけ、やることになっても時間になっても来ず、遅刻して来たり、来ないので他のスタッフに聞くと「今日は来ないよ」と言われたり…。

カウンターパートという、わたしと一緒に活動をしてくれる人がいるのですが、少し偉いポジションの人で日々、忙しそうにしていました。

彼は温和で優しく良い人でしたが仕事に追われており、途中からは病気になって長期間、入院することになってしまい、一緒に活動することはできませんでした。

自分の思いつくことをやってみましたが、現地の人に求められてやっているわけではなかったので、現場との間に温度差もあり、本当に喜ばれているのか、現地の人のためになっているのか…。

わたしは現地で自分のやりたいことをするためというよりも現地の人に喜ばれること、人の役に立つことをしたいという思いでボランティアに来ました。

なので、現状に困っていたり求められているわけではない場所でどう活動していけばいいのか分からなくなってしまいました。

今思うと最初は上手くいかなくても、とにかくやるしかないし、もっと現地スタッフとも自分の思いが伝わるようにたくさん話せば良かったなとも思います。

ただ、自分の思いを伝えるにもフランス語なので、単純な事柄は伝えられても、意見が違う時に自分の思いを具体的に伝えたり踏み込んだことを伝えられるだけの語彙力がなく、意思の疎通がやはり難しかったです。

考えて思い詰めるより、思い切って自分の殻を破って、体当たりで現地のみんなにぶつかっていけば良かったのかも知れませんが、その時わたしにはそれができませんでした。

そして、「自分なりの方法で、同じ志を持つ仲間たちと力を合わせて困っている子どもたちのために働きたい」そう思った時、やはり日本の子どもの施設で働きたいと思いました。

決断とその後

3人で手をつないだアフリカの小さな子どもたち

次にやりたいこと

「子どもたちのことを一番に考え、職員は子どもたちの心のお手本となるよう、素直であること、正直であることを大切にし、子どもと共に成長していくことを目指す」

そんな施設が日本にあり、日本での施設の職員経験やガボンでの経験を踏まえて、「今自分が働くならここしかない!」と思いました。

「自分の持てる経験や力を思いっきり注げる場所で発揮したい!」そんな思いで、任期を短縮することを決意し、帰国したのでした。

活動のラストスパート

帰国を決めてから、残されたガボンにいられる時間で「今の自分に出来る限りのことをしよう!」と決め、他の隊員にもたくさん協力してもらい、活動を続けました。

ゴミ拾いを続けたり、施設の看板を作ったり、畑作りや子どもたちと一緒に活動した写真をたくさん撮り、プリントアウトして部屋の天井にひもを伝わせ、みんなが見れるように飾り付けたりしました。

<孤児院の看板作り>

電気ドリルを使うアフリカの少年

そばで見ていた子がお手伝い。初めて触るドリルに嬉しそうにしていました。

<机の修理>

テーブルを修理するアフリカの少女たち

机の足が取れて壊れていたり、ガタガタしている机の修理をしていると、女の子たちが来て手伝ってくれました。

<写真の飾り付け>

写真を飾り付けるアフリカの少年

子どもたちと一緒に作品と写真の飾り付けをしました。自分が写っていたり、同じ施設の子が写っているのを見つけてはキャッキャと嬉しそうにしていました。

<アルファベットと子どもたちの作品>

アフリカの子どもたちの作品

子どもたちの作った魚の作品が置かれていたので、せっかくなので飾ってみることにしました。

写真を飾り付けた部屋

完成!運動会の時にいろんな国の国旗がよく飾り付けられてますよね。あれをイメージしてみました。

<手裏剣>

たくさんの折り紙で作った手裏剣

折り紙で手裏剣をたくさん作りました!孤児院に行く最後の日、手裏剣のネックレスを子どもたちにプレゼントしました。

手裏剣のネックレスをかけたアフリカの小さな男の子

右手には握りしめられたお米が…。笑

折り紙の手裏剣をかじるアフリカの小さな男の子

ごはんじゃなくて手裏剣をぱく!

わたしはこの孤児院の力にはあまりなれず申し訳なかったですが、カウンターパートはすごく名残惜しそうにしてくれました。

濃い関わりは出来なかったけど、この孤児院の園長やカウンターパート、スタッフ、子どもたちはわたしを迎え入れてくれました。

そんな孤児院のみんな、そしてこの孤児院にたくさん足を運んでくれ、活動に協力してくれた隊員のみんなに、本当に感謝しています。

次回は、この1年間を振り返って感じたことを書きます。様々なことを経験したこの1年間。それを経て、何を感じて何を学ぶことが出来たのでしょうか?その記事はこちら↓↓

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