児童養護施設の抱える課題ってどんなもの?

竹林と積み重ねられた石 子どもの福祉

前回は、児童養護施設で働いてみて見えた現状について紹介しました。理想だけでは語れない現状がそこにはありました。では、何が課題なのでしょうか?整理してみたいと思います。

「児童養護施設で働いてみて見えた現状とは?」はこちら↓↓

児童養護施設で働いてみて見えた現状とは?
前回は、児童養護施設での子どもたちの生活について紹介しました。今回は、わたしが児童養護施設で働いてみて感じたことについ...

児童養護施設が抱える課題

問題点と書かれたノートと指さし棒

児童養護施設が抱える課題は何があるのでしょうか?これは、児童養護施設の課題の全てではなく、わたしが働いた施設での経験や他の施設でも起こっていること、陥りがちな問題を書いています。

  • 職員の人員不足
  • 職員の人材育成不足
  • トップによる明確な方針がないこと
  • 子どもと職員を守る仕組みがないこと

それでは、一つずつ説明していきたいと思います。

職員の人員不足

誰も座っていない緑色のベンチ

子どもたちを預かり、育てるこの仕事には職員の人間性が試されると思います。専門職としての知識や技術もそうですが、それ以上に大切なことがあります。それは、

  • 子どもたちと真摯に向き合うことができること
  • 感謝ができること
  • 自分自身を振り返って非を認められること
  • 謝ることができること
  • 人を思いやることができること

そんな、当たり前のようなことができない人が多いのです。そんな人として当たり前のような誠実さ、素直さ、正直であることがとても大事です。

職員の人数はたくさんいるのに、本当に子どもの為に働けている人が少なかったり、職員で協力することができない人が多かったりします。

それでも、職員が交代で勤務して施設は回っているので、職員の人数が少ないと困ります。だから、子どものことを考えない人や働く姿勢に問題がある人でも、状態を改善しなくても何も言われないのをいいことに働き続けられるのです。

働いている職員の数ではなく、本当に必要な人材の数は足りていないことは多々あるのではないかと思います。また、人員不足によりどうしても長時間労働になってしまうことがあります。すると、職員に疲労やストレスが溜まっていきます。

時間が足りなかったり、精神的に余裕がなくなってくると、本当は一番大切にしなきゃいけない子どもたちとの関わりが大切にできなくなってきます。

時間に追われ、子どもたちのことを後回しにしたり、きちんと話を聞いてあげられなかったり、向き合うことができなくなったり。そうなってしまうと本末転倒です。

でも、何を大事にしないといけないかを見失ったり、または考えなくなったりして、ただ現状を維持するだけの意識で働いている人も少なくないと思います。

職員の人材育成不足

話し合っている人々

とは言え、初めから誰もがスペシャリストなわけではありません。でも、人は成長することができます。社会人としても、施設の職員としても分からないことだらけで誰もがスタートします。

まずは、仕事を覚えること、そして子どもたちとコミュニケーションを取ること。その次に、

  • 自分はどうなりたいのか
  • それには何が足りないか
  • その為に何ができるか

を考えることが必要です。これを考えて、実践できる人は必ず成長します。でも、何も考えずに何となく過ごしている人は意外と多くいるのではないでしょうか。

それでも、周りにいる職員が相談に乗ったり、アドバイスすることで十分に軌道修正したり、目標を持ち、それに向かって進んでいくことはできると思います。

大事なことは、新入社員だけじゃなく、一人ひとりがそうした目標を持ったり、自分を振り返ることができること。ベテランの職員も新人も同じ姿勢でいることです。それぞれが、

  • 正直であること
  • 謙虚であること
  • 柔軟であること

ができれば、人から指摘されたことを受け止めて、自分を振り返って行動を変えることができると思います。そんな良い循環が出来れば、みんなが言いたいことが言える、困ったことを相談できるようになると思います。

そんな人間性を育てること、人のことを考えて仕事をすること、これは仕事が早いことや仕事ができることよりも大切なことだと思います。そうした職員が増えていくように、先輩から後輩へ仕事をする上で何が大切なのか教えていく必要があります。

その為にも、施設の運営者や管理職などの土台のメンバーが率先してそうした姿を見せていかなくてはいけません。

トップによる明確な方針がないこと

山の上にあるゴール

そこで、トップの明確な方針が大切になってきます。組織のトップがまず、考え方を変えて、これまでのやり方を一度崩す必要があります。

現場の声を聞きながら、一からやり直すことです。現場の職員や子どもたちの声を聞いて、意見を織り交ぜて、みんなにとって意味のあるルールを作っていくことが大切です。

子どもたちも職員も「やらされる」ことに意味はありません。きちんと自分の意見が言える場所、それがちゃんと評価される場所でなくてはいけません。

言える人だけが好きに意見を言って、都合の良いルールを作っていてはいけません。その為にも、組織のトップが

  • 仕事に取り組む姿勢
  • 子どもたちへの接し方
  • 職員同士が互いに認め合って協力すること

など、「言うまでもなく当たり前に出来ているはずのこと」を、他の小難しい理念や方針なんかよりも優先して、まず徹底するべきだと思います。

子どもと職員を守る仕組みがないこと

若い女性を抱きしめる高齢の女性

次に、「子どもと職員を守る仕組み」とは何か?というと、子どもたちや職員が暴言や暴力、パワハラなどに遭った際、きちんと対処するということです。

これも、当たり前のことで、暴言や暴力、パワハラなど許されてはいけないですが、起こっているのもまた事実です。

  • 子ども→子ども
  • 職員→職員
  • 子ども→職員
  • 職員→子ども

このようにあらゆる人間関係の中で力関係が働いて、苦しんでいる人がいます。度の過ぎた暴言や暴力、パワハラが起きた時、ちゃんと問題として認識しなくてはいけません。

そして、それが誰であっても問題を曖昧なままにせず、きちんと聞き取りを行うことです。状況の整理をして、何が原因か、どう対処するのか、当事者任せではなく施設全体で問題意識を持つことが非常に大事なことだと思います。

問題が起こっているのに見て見ぬフリ、あったことを報告せずなかったことにしたり、ひたすら理不尽な対応に耐える…そんな状態で良い支援ができるわけがありません。それなのに会議をしても、そんな重要なことが話し合われません。

何よりも早急に変えるべきなのは、そんな体質になっている施設自体です。トップであり、管理職であり、一人ひとりの職員みんなが意識改革をして、本気で取り組まないと絶対に変わりません。

その一番最初に変えなくてはいけないのはトップの意識であり、みんなの先頭に立ち、みんなを引っ張っていかなくてはいけません。とは言え、自分だけならまだしも、人の考えを変えるというのは簡単にできることではありません。

それでも、やると決めたら変わるまで諦めずにみんなで力を合わせて意識改革に取り組むことが必要です。では、具体的にどんなことをしていったらいいのでしょうか?

次回は、見えてきた課題に対してどう対応していくかについて書きたいと思います。次回の記事はこちら↓↓

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