元児童養護施設職員が教える子どもとの関わり方。OK・NGポイントは?

たくさんの子どもに囲まれている女性 子どもの福祉

事情があり家庭で暮らせない子どもたちは里親家庭で暮らしたり、施設で生活することになります。

日本は他の外国に比べ里親家庭よりも施設の数の方が多いのが現状です。家庭にいても、里親家庭にいても、施設にいても楽しく暮らせる子もいれば苦しい思いをしている子もいます。

同時に、子どもたちへどう対応したらいいのか悩んでいる保護者の方、里親、施設職員さんもたくさんいることと思います。

ここでは、実際に施設で働いた経験をもとに子どもたちへの関わり方のポイントを紹介したいと思います。

施設で暮らす子は特別?

笑ってハグしている女の子と女性

わたしは、児童養護施設や母子生活支援施設などの施設で暮らす子どもたちや家庭で暮らしながら施設のショートステイを利用する子どもたちなど、いろんな子どもたちと関わってきました。

その中で、わたしは施設で暮らす子どもたちも家庭で暮らす子どもたちと根本的なところは何も変わらないと感じています。

施設というとどんなところなのか詳しく知らないことで、マイナスなイメージがあるかもしれません。また、施設で暮らす子どもも暗いイメージやかわいそうと思う人もいるかもしれません。

確かに辛い出来事を経験したり、さまざまな事情により親元を離れなければいけなくなり、苦しさや悲しみを抱えている子どももたくさんいます。

でも、施設にいても家庭にいても多かれ少なかれみんな悩みや苦しみを抱えていたりするものです。施設にいるからといって特別なのではなく、いろんな人がいる世界の中の一人にすぎません。

それに、辛い過去があったとしても施設で生活している子どもたちはちゃんと前を向いて生きています。他の人と同じように楽しんだり、怒ったり、笑ったり、泣いたり、何も変わらないのです。

それよりも「あの子は施設の子だから」とそれだけで線引きされることの方が悲しいです。

周りにいる人は、施設で生活していることとは関係なく、目の前の等身大のその子自身を見てあげてほしいなと思います。

何がネック?

雷さまのイラスト

家庭の中にしろ、施設にしろ、子どもたちと関わる上で何がネックとなってしまうのでしょうか。

もしも、「大人の言うことをよく聞くいい子」だったり「いつも笑って喋ってくれる愛想のいい子」だとどうでしょう?

大人はやりやすいし、何も困らないですよね。困るのは、子どもが反抗的になった時や、喋ってくれない・心を開いてくれない時などではないでしょうか。

そんな時、どう対応していいのか分からなかったり、何を言っていいのか分からないという人もいると思います。

また、自分なりに対応してみたけれど無視されてしまったり、余計に怒らせてしまったりすると、ますます次にどうしたらいいのか分からなくなりますよね。

どう対応するのがいい?

OK・NGの文字と人形

では、どう対応するのがベストなのでしょうか?家庭でも施設でも、子どもは一人ひとり違うので、これをしておけば絶対正解というものはありません。

でも子どもが落ち込んでいたり、悩んでいたり、反抗して攻撃的になっていたり、言うことを聞いてくれない時など、共通して抑えるポイントがあります。

OKな対応

OKの吹き出しとOKサインをした手

まず、子どもの話をとことん聞くこと!です。

とてもシンプルでそれだけ?という気がしますが、「口を挟まず、否定せずに最後まで聞く」ということはできない人もなかなか多いと思います。

どんな行動にも、子どもには子どもなりの言い分や理由が必ずあります。それをまずはまるっと全部聞いてあげましょう!

そして、子どもの立場になって考えることです。これは施設の職員や親という立場でなく、その子の気持ちになって考えてみるということです。

また、相槌を打ちながら聞くことで共感してもらえていると感じるので、子どもの気持ちが落ち着きやすくなります。

最後に、どうすればいいか一緒に考えること。何に困っているのか、どうしたいのかを整理しながら次にどんなアクションを起こせばいいか、子どもの気持ちを聞きながら一緒に考えます。

他にも普段の生活の中で、笑顔で話しかけたり、子どもの好きなものを作ったり、子どもが喜びそうなことをしてみたり。

そうしたちょっとした気遣いや思いやりを、その時は素直に受け取れないこともあるかもしれませんが、落ち着いた時にはその気持ちを子どもはちゃんと受け取ってくれています。

NGな対応

NGの文字と積み木

やってはいけないのは、子どもの話を聞かず大人の目線から「何やってるの!」「どうしてこうなの!」と子どもを責めたり、否定することです。

頭で分かってはいても、感情が先行してしまい思わず怒鳴ったり、責めてしまった…という人も多いかもしれません。

また「この子はこうだから」と決めつけて「ダメ」とか「こうしなさい」と一方的に大人の意見を押し付けること。

これをしてしまうと、子どもにとって大人は「話を聞いてくれない人」になります。話を聞いてくれない人に本音は言わないし、そうすると子どもの本当の気持ちを知ることはできません。

子どもが本当はどんな気持ちなのか、どうしたいのかも見えてきません。そうなると、子どもとの溝はどんどん広がっていき、ますます反抗したり、心を開かなくなってしまいます。

子どもとどう向き合う?

笑っておやつを食べる女性と女の子

施設や親としての立場や考えに固執すると、子どもたちに寄り添うことは難しくなります。子どもの心でなく、問題に意識が向いているからです。

そうすると目の前の子どもがどう感じているかよりも、この問題をいかに解決できるか、どうしたら早く収めることができるかで頭がいっぱいになってしまいます。

そういう時は、子どもの気持ちを考えることは難しいです。子どもと大人で全然違う方向を向いているのですれ違ってしまいます。

その場合は、子どもたちの問題をどう解決するかの前に、大人としてどう子どもに向き合いたいかを考えてみることが大切だと思います。

大人にとってやりやすい「いい子」が子どもにとって本当の姿ではないこともあるし、子どもが表面上に出している問題が本当の姿ではないこともあります。

問題を起こしている子ども自身が本当は困っていたり、助けてほしいと思っていることもあるのです。子どもの心の中には、言えなかった本当の気持ち、本当の欲求があったりします。

子どもの対応に困った時、表面上に見えている問題だけを見るのでなく、「何でこれをしたんだろう?」「どんな気持ちでいたんだろう?」と想像することが大切です。

子どもには、本当に信頼している人にしか見せない気持ちや姿があります。それを見せてもいいなと子どもに思ってもらえるには、大人が真摯に子どもと向き合うしかありません。

しかし、簡単には心の奥の本心を見せてはくれない場合もあります。

世間一般的な考え方や大人自身のこうだと決めつける考え方は一度リセットして、まず一人の個人として、人と人として向き合ってみましょう!

余計なものを取っ払う

海の前で伸びをしている女性

自分の立場、言い分、責任など余計なものを取っ払うと、大人自身が楽になる場合があります。素直に子どもの話が聞けたり、子どもの気持ちを理解できたりします。

すると、そうした立場や責任が子どもと向き合うのにネックになっていたのだと分かります。周りに対して自分の立場を守ろうとすることが、子どもを理解する足かせになっていたのです。

余計なものを背負わず、生身の人間として向き合うことができたなら、その時にはまたこれまでとは違ったものが見えてくるはずです。

ただ、その足かせを外すことが実はかなり難しかったりします。自分だけの問題ではなく、パートナーや家族、または施設で働く他の職員の理解と協力が必要になってくるからです。

そこが根本的な問題となっている場合も多いです。難しいかもしれませんが、子どもを一緒に支える家族や仲間とも今の気持ちを伝え合うといいと思います。

そしてぜひ一度、自分は子どもとどう向き合って、どんな関係を築いていきたいのか?自分自身と向き合ってみてください^^

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