「虐待かもしれない」と思ったとき、どうすればいい?親子を支えるには?

こちらを見ている女の子の片目 子どもの福祉

前回は、虐待が起きたとき、その親や子どもはどうすればいいのか考えてきました。

今回は、虐待を疑われるような状況があった場合、それを見つけた人や周りにいる人はどうすればいいのか、また親や子どもを支える仕組みについて考えていきたいと思います。

前回の記事はこちら▽

周りにいる人ができること

肩を寄せ抱き合う後ろ姿の女性たち

虐待を行なってしまう親やその子どもがSOSを出したとき、周りにいる人がそれに気付いて力になることが何より大事なことです。他人事として受け流すのではなく、どうすればいいか一緒に考えてほしいです。

その親子の運命はその人にかかっていると言っても過言ではないかもしれません。一度、届かなかったSOSはもう二度と発せられないかもしれないからです。

近所の家から子どもの泣き叫ぶような声が昼夜問わずいつも聞こえていたり、親の様子や子どもの様子がおかしかったら、気にかけてほしいです。

そういった場合、親は他の保護者と関わりがなく、挨拶をしたり何気ない雑談をしたり、笑顔を見せることが少ないと思います。

子どもに関しても、表情が乏しい、声をかけても反応が薄い、あまり笑わない、親を怖がる素振りを見せる、体に傷やアザがある、様子がおかしいなど、虐待を疑う要素がいくつかあると思います。

そうした様子に気付くことが大事です。そして、挨拶をしてみたり一言何気ない声をかけてみたり、笑いかけてみてください。

親には無視されたり、怪訝な顔をされたりするかもしれません。子どもも無反応かもしれません。でも、もしかしたらそこから関わりができていき、親や子どもがSOSを出せるようになるかもしれません。

現代は昔のようないい意味でお節介な人が減っていて、家族でない他者が家庭に介入する機会が減ってしまっています。

普段から親子に声をかけたり、困っていたら手助けをしたり、当たり前に助け合っていた文化が失われつつあるのかもしれません。でも、そんな今だからこそ、意識的に周りにいる人が気付き、気にかけていかなければなりません。

親も苦しんでいるかもしれませんが、何より子どもが一番辛い思いをしています。子どもには何の罪もないのです。家庭という生きていくために欠かせない場所で、恐怖や不安を抱えながら生きていかなくてはいけないなんて間違っています。

虐待が疑われるようなことをもし見つけたら、子どもが通っている保育園や学校に相談してみたり、児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」へ知らせてください。

「間違っていたら…」と不安になるかもしれませんが、その家庭が何か困りごとを抱えている可能性は高いです。

少しでも早く子どもを助ける、その家庭に介入してもらうことが重要です。いち早く専門職のスタッフによる支援につなげることが大事です。

子育ては人と助け合いながらやっていかなくては大変なことです。できるだけ、多くの人の目でみんなで見守って育てることが大事です。

孤立した環境で、他者と関わらずに追い詰められていくと、親も子どももしんどく、危険な状態になってしまいます。

たとえ細い糸だとしても、他者と繋がることが大切です。できるだけ、周りで困っていそうな、様子のおかしい親や子どもに気付いたら、声をかけて気にかけてあげてください。

そうしたことを、一人ひとりが意識したり、心がけることで、助けられる命や救われる家庭も増えるのだと思います。

ゆっくり話を聴いてくれる場所

机に置かれた黒い電話と万年筆と文字の書かれた紙

親が育児や夫婦関係、虐待などについて一人で悩んで追い詰められいるとき、相談できる場所があることをまずは知ってください。

虐待をしてしまうことや育児、夫婦関係や他にも困っていることに電話で相談に乗ってくれる場所があります。

そこにはいろんな親の悩みを聞いてきたスタッフがいて、育児に悩んでいる親や孤立している親、虐待に悩んでいる親や家族、虐待を受けている子どもからの相談も受け付けています。

匿名で話すことができ、相談者の気持ちに寄り添い、困っていること辛いことを聞いてもらえます。これがとっても大事なことです。

話を聞いてもらうだけで問題が勝手に解決されるわけではないですが、吐き出すことができなかった自分の気持ちや辛さを人に聞いてもらって受け止めてもらえるだけで、心が軽くなるはずです。

気持ちを落ち着けて、またがんばってみようかなと思えたり、また困ったらここに相談したらいいんだと思える場所ができるのはとても大きなことです。

まずはとにかく話を聞いてもらうこと。自分のことだけでなく、家族のことや周りとの関係など苦しんでいることを話せるだけ話します。そのあと、どうしたらいいのか一緒に考えてくれます。

誰にも相談できずに困ったときは、一人で抱え込まず、軽い気持ちでまずはそうした電話相談をしてみましょう。たった一度でもいいので、試しに相談してみることが大事です。

子どもの虐待ホットライン
  • 06-6646-0088
  • 月〜金曜日
  • 土日祝日、年末年始、8月13〜15日は休み
  • 11:00〜16:00
  • 匿名でOK
  • 専門的な知識を持った相談員が対応
子どもの虐待防止センター
  • 03-6909-0999
  • 月〜金曜日 10:00〜17:00
  • 土曜日 10:00〜15:00
  • 日曜日、祭日は休み
  • 匿名でOK
  • 相談員は全員研修を受けた女性ボランティア

電話相談をしてくる人の中には「虐待をやめたい」と思っている親からの相談がとても多いそうです。やめたいのにやめられない、他にどうしていいか分からずに繰り返してしまっている人がたくさんいます。

親だけではなく、虐待かもしれないと思う周りにいる人や虐待を受けている子ども自身も一人で抱え込まずにまずは話を聞いてもらえるところに話してみてほしいです。

そうして相談をして話を聞いてもらい、子どものこと以外でも仕事についてやお金の問題など今抱えている問題を整理し、どうしていけばいいかを一緒に考え、状況に応じて支援機関も紹介してもらいながら生活を立て直します。

親をサポート、支える仕組み

手を重ねる女性たち

虐待などの問題により、親子が別々の場所で暮らすことになったり、一緒に暮らしていても子どもの対応や子どもとの関わり方が分からず悩んでいる親が受けられるプログラムもあります。

別々に暮らしている親子の場合、また一緒に暮らせるようになるためにや、一緒に暮らしている場合でも、子どもとうまく関われるようになるために自分自身の問題と向き合います。

その一つにグループケアというものがあります。悩みを抱えた親同士が集まり、それぞれの抱える思いを話していくのです。

進行役とサポート役のスタッフがつき、親たちは自分自身が抱えている問題や悩みについて話していきます。

話した内容について議論するわけでなく、思いを話す、その思いを聞く、という場です。批判したりするのでなく、みんなでただ話を聞きます。

人に言えなかったことを責められることなく話せたり、他にも自分のように育児がうまくいかず悩んでいる人がいることを知って自分だけじゃないんだと安心することもできます。

話をとにかく聞いてもらい、受け止めてもらうことで自分の気持ちを吐き出せる場所、話を聞いてくれる場所を作ることで自分の居場所を見つけることができます。

そうして、自分の居場所を見つけることで自分自身を徐々に振り返ることができるようになります。

虐待をしてしまう人の中には、自分自身が親から虐待を受けていた経験がある人も多くいます。その自分の生い立ちや家庭環境に苦しんでいた自分自身についても語り、振り返っていきます。

他にも、子どもが言うことを聞かないとき、怒鳴ったり、手をあげてしまう、どう対応したいいのか分からないという場合。子どもにどう対応すればいいのか、どう向き合っていけばいいのか、親子のコミュニケーションについて学ぶプログラムもあります。

そうしたプログラムがあることはとてもいいことだと思いますが、そうしたプログラムを受けられる機関が少ないことで身近になかったり、その存在を知らないことでそうした支援につながらない人もいると思います。

そして、誰にも頼れず一人きりで悩んで心を閉ざしているときはそういった集まりに参加してみようという気持ちになれないという人もいると思います。

そういうときに、周りにいる人の何気ない声かけや挨拶、軽い雑談などをすることで他者との関わりを持ち、一人きりではなく少しでも人と関わることが大切なのだと思います。

次回は、虐待を受けた子どもたちをどう支えていくかについて考えていきたいと思います。次回の記事はこちら▽

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