繰り返される虐待の問題。虐待が起きたとき、親や子どもはどうすればいい?

地面に座っている女の子 子どもの福祉

虐待による悲惨な事件の背景には様々な経緯があります。それでも、ニュースでは起きたことを簡単に説明することしかありません。

その家庭で何が起こっていたのか、どうしてそうなったのか、どうすればよかったのかまで分析することはありません。

ですが、その部分を考えて、行政の仕組みだけでなく、広く地域の中で支え合うようにしなければたくさんある孤独や問題を見つけることはできません。

今回は虐待をしてしまいそう、または虐待してしまう親、虐待されている子ども、その周りにいる人がどうすればいいのか考えていきます。

前回の記事「虐待をしてしまう親を取り巻く状況について」はこちら▽

虐待をしてしまう親

浜辺で後ろを向いてたたずむ女性

育児や生活、人間関係に悩んでいたり、困難を抱えていても誰にも頼ることができずに、一人で問題を抱え込んでしまった人が精神的に追い詰められて虐待をしてしまう可能性は高いです。

そんなとき、虐待してしまう親は「優しくしたいのに優しくできない」「やめたくてもコントロールできない」「気持ちを抑えられない」「どうしたらいいか分からない」そんな風に思っているのかもしれません。

子どもが言うことを聞かないことがあっても親が感情的にならず、子どもと正しく関わり、教えて、支えて、見守っていくことはとても難しいです。

親も一人の人間です。イライラしたり、人に当たってしまうこともあるし、弱いところや直さなければいけないところがあったり間違ってしまうときもあります。

それで普通です。でも、悩んだり困ったことがあっても、信頼できる人がおらず、自分を支えてくれる人がいない状態で追い詰められ、心のバランスが崩れたとき、歯止めが効かなくなってしまいます。

誰もが、信頼できる人がそばにいて心が満たされていれば自分や人を大切にしたり、優しくすることもできると思います。そんな状態ならきっと子どもにも優しく、愛情を注いで育てることができるはずです。

でも、そうでなく生い立ちによって苦しんでいたり、自身が親からの愛情を知らずに育ったり、人間関係で悩んだり、仕事がうまくいかなかったりして、心が満たされず渇き、ささくれだった状態だとしたら、人に優しくする心の余裕が持てません。

そういう状態で自分の心を守るために異性に依存してしまう人も少なくありません。異性と体で繋がっていれば必要としてもらえていると感じられたり、心が満たされるような気がするからです。

でも、本当に相手が自分のことを大切に思ってくれているとは限りません。都合よく利用されていたり、遊び半分で相手をされてしまうこともあります。その結果、深く考えずに子どもを作ってしまうパターンも多いと思います。

その相手と一緒に家族みんなで幸せに暮らすために力を合わせていければいいですが、相手が自分と子どもを置いて無責任に去ってしまうこともあります。

そうして、その子どもに愛情を持てなかったり、育てるのが経済的に難しくなったりすると、ますます心に余裕が持てなくなってしまいます。

さらに、仕事や人間関係がうまくいかず心が荒んだ状態でいると、自分を保つため、自分の心を守るために人を傷付けてしまうことがあります。

それが家庭の中で一番弱い立場である子どもに向かうのです。子どもは親がいないと物理的、経済的に生きていけないので辛くともそこで生きていくしかありません。

本当はそうではなく、他の場所でも生きていけますが、大人に比べるとまだまだいろんな知識や経験が少なく、世間を知らない子どもたちはそこから逃げ出す術を知りません。

また、虐待されていたとしても自分から親と離れるという選択は子どもにとって大きな痛みや不安、恐怖も伴うのかもしれません。

虐待から抜け出す難しさ

布団を被ってうずくまる女性

親が孤立して、その問題を家庭の内側に溜め込んでしまっている状態から抜け出すには、今の環境を変えなければいけません。

新たな居場所を作ることが大事です。育児や仕事、人間関係などの困っていることをどこか相談できる場所だったり、話ができる人を作ったり、雑談して気分転換できる場所などがあるといいですね。

困ったときに助けを求められたり、話を聞いてもらえたり、相談できたり、一緒に考えてくれたりできる人や場所があると一人で問題を抱え込みにくくなります。

でもそれが難しいのです。人に裏切られたり、非難されたり、理解されないことで傷付く経験をして心を閉ざしているからこそ、他者との関わりが少なく、家庭の中に問題が閉じ込められてしまいます。

だからこそ、虐待が起きてしまうような状況になっているのです。自分から人に関わったり、相談できるような場所には行けない可能性も高いです。

もしも、周りにいる誰かに相談しようと思えて話すことができたとしても、誰もが相手の立場に立って話を聞いて寄り添ってくれるとも限りません。

相手は人間なので、それぞれの考え方や価値観があります。せっかく勇気を出して踏み出しても、相手にそんなつもりがなくても心ない言葉で、その気持ちを踏み躙られてしまう可能性もあります。

そうなると、さらに心を閉ざし他人を信じようとはしなくなってしまいます。もしも、他の人が声をかけてくれても、その声に耳を貸さないかもしれません。

だからこそ、早い段階での周りからの関わりが大切です。まだまだ困っている人を支援する体制や制度は十分ではないので、身近にいる人の見守りや気付き、声かけが大切になってくると思います。

虐待される子ども

伸ばされた手と景色

家庭の中で親に虐待されている子どもたち。年齢が低ければ低いほど、自分の置かれている状況がどういうものなのか理解しにくいと思います。

大きくなってきて、それが理解できたとしても、子どもたちは親を責められなかったり、親は絶対的な存在で反抗できない、むしろ自分が悪いんだと思い込んでいる場合もあります。

でも、どんなに親に「おまえが悪いんだ」と言われていたとしても、それで虐待をしていい理由にはなりません。それは親が自分を守るために正当化しているだけです。

子どもたちは何も悪くありません。たとえ、親に反抗したり、言うことを聞かなかったり、叱られることをしたり、何かを失敗したとしても、そんなことは当たり前のことなのです。

子どもが成長していく上で、だんだんと自分の意思を主張するようになり、それを相手にぶつけたり、親の言うことに反発することが出てきてもそれは自然なことです。

自分の意思で何かに挑戦したり、時には判断や選択を間違ってしまったりすることもあるかもしれません。やりたいことをして失敗や成功を繰り返しながらいろいろな経験をして学び、成長していきます。

そして、それを見守るのが親の役目です。ですが、虐待を受けていたり、親からの圧力によって親の理想のために、過度な教育を押し付けられてしまう生活は、そんな子どもにとっての大切な経験を奪ってしまいます。

周りに助けを求める

握り合う2つの手

安全ではなく、安心して生活できない場所からは本当は逃げ出していいのです。どうか逃げてほしい。誰でもいいから、誰かに助けを求めてほしい。

ただ、これにも問題があって、助けを求めた人が誰であっても必ず助けてくれるのならいいのですが、そうとは限らないのです。

警察や児童相談所などの機関に知らせるのではなく、「子どもがこんなことを言っているが大丈夫か」と親自身に言ってしまったり、何も行動に移してくれない場合もあるかもしれません。

そして、状況は変わらないまま、助けを求めたことが親に知られてしまうと、さらに状況が悪化する危険性もあります。そうなると、親はますます危険な存在になり、他者を寄せ付けなくなってしまいます。

そうなると、子どもを助けることも困難になってしまいます。ただ、子どもが自分から助けを求めるか、周りが気付いて助けることしかできないので、どちらも勇気を出して踏み出してほしいのです。

子どもは、学校に行けているならばできるだけ、周りにいる信頼のできそうな大人にまず相談してみてほしいです。

学校に行けていない場合は何とかして家を脱出しなくてはいけません。ですが、それは子どもにとってとてつもなく勇気がいることだと思います。

もしも近くに相談できる人がおらず、電話をかけることができれば児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」に電話をかけてみてほしいです。

ですが、子どもが親から逃げようと行動を起こすのはやはり危険を伴い、子どもにとってとても不安なことだと思います。なので、周りの大人が勇気を出して少しでも力になって子どもを助けてあげることが求められます。

次回は、虐待が疑われるとき、周りの人がどうすればいいか、どう親子を支えていくかについて考えていきたいと思います。

次回の記事はこちら▽

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