施設の新しい形、子どもを家庭で育てるファミリーホームってどんなもの?

手を合わせている両親とその間にいる2人の子ども 子どもの福祉

前回は、児童養護施設の子どもたちが暮らすグループホームについて紹介しました。今回は、より家庭的な関わり方ができるファミリーホームについて紹介したいと思います。

ファミリーホームはまだあまり知られておらず、聞いたことのない人も多いかも知れません。もっと増えたら良いなと思う施設の新しい形です。

前回の「子どもたちが暮らすグループホームってどんなもの?」の記事はこちら↓↓

ファミリーホームってなに?

海外のダイニングキッチン

まず、ファミリーホームとは何でしょうか?

ファミリーホームとは?

様々な事情により家庭で生活できなくなった子どもたちを児童養護施設職員や里親経験がある人の家庭に迎え入れて養育すること

家庭で生活できない子どもたちが暮らす児童養護施設とは違って、施設の中でなく、家庭の中で養育するのがファミリーホームの特徴です。

また、里親とも似ていますが里親との違いは、ファミリーホームはいくつかの要件を満たした人しか開設できないことです。里親にもなる為の要件はいくつかありますが、ファミリーホームの場合は経験が必要となります。

里親については、また別の記事で詳しく説明したいと思います。

どんな人がファミリーホームを始められるの?

抱き合っている白髪の老夫婦

ファミリーホームを始める為の要件とはどんなものでしょうか?

  1. 養育里親として2年以上、同時に2人以上、委託児童の養育経験があること
  2. 養育里親として5年以上登録していて、5人以上委託児童の養育経験があること
  3. 子どもの施設で働いた経験が3年以上あること

要件にある子どもの施設というのは、

  • 乳児院
  • 児童養護施設
  • 情緒障害児短期治療施設
  • 児童自立支援施設

のことを言います。

つまり、ファミリーホームを始めるには、里親や児童養護施設などの職員経験があり、家庭で生活出来ない子どもたちと関わったり、養育したことがあることが必須条件となります。

ファミリーホームは6人までの委託児童を受け入れるので、そうした専門的な経験が必要なのですね。

ファミリーホームと施設の違い

赤ちゃんを囲む両親と男の子

ファミリーホームと似ているものとして、グループホームがあります。グループホームは児童養護施設の種類の一つで、6人までの子どもたちが一軒家で生活し、施設の職員が交代制で家事や子どもたちのお世話をします。

子どもたちが生活する形は似ていますが、一番の違いは職員が交代で勤務したりするのではなく、家庭の中で生活するということです。ファミリーホームを開設する夫婦が暮らす家に子どもたちも一緒に暮らします。

グループホームでは、職員は仕事が終われば自宅へ帰り、いろんな職員が交代で入ってきます。一方、ファミリーホームでは子どもたちに関わるのは、夫婦ともう1人補助者がいるだけで、夫婦は常に子どもたちと共に生活します。

子どもたちとの関わりは毎日途切れることなく、喜怒哀楽を共にしながら一緒に生活していく、家族のようなものです。これは施設との大きな違いです。

ファミリーホームではどんな生活をするの?

買い物をしている家族

ファミリーホームではどんな生活をするのでしょうか?それは、ずばり家庭それぞれです。当たり前ですが、施設ではないので、起床時間や就寝時間、休みの日の過ごし方や家庭のルールはその家庭ごとに違います。

ファミリーホームを運営する夫婦の考えや価値観によって決められていきます。それは、一般家庭と同じですね。平日は家から学校に通い、一緒に料理をしたり、休日に遊びに行ったり、買い物をしたり、季節ごとの行事をしたり、それぞれの過ごし方があります。

ファミリーホームの良さ

女の子を抱きしめる男性

施設と違って大人の入れ替わりがないので、特定の大人との密接な関係を築くことができます。特定の大人との安定した関係は子どもたちの情緒の安定に繋がります。

他にも子どもたちがいるので、自分が甘えたい時に大人を独り占めしたり出来ない時もあるかも知れませんが、常に同じ大人が側にいてくれることは子どもたちにとって安心できる環境になると思います。

また、家庭にもルールがあるかも知れませんが、施設のような集団生活上のルールは少ないと思います。それだけ、子どもたちが自分の思いや意見を生活に反映させやすくなります。

ファミリーホームの夫婦と共に生活し、時間をかけながら信頼関係を築くことが出来れば、子どもたちにとって心強い味方ができるのだと思います。

生きていく上で、いろんな困難があったとしても、自分の味方でいて、見守っていてくれる人がいれば頑張れたりします。そんな存在になることが養育者の使命なのではないかなと思います。

その中で、子どもたちの抱える心の傷やしんどさを時間をかけて聞いていき、受け止めて、前に進んでいけるように一緒に考えていくことが大切です。

ファミリーホームの難しさ

赤ちゃんと男の子を抱く両親

ファミリーホームは、より家庭に近い環境で生活することが出来るので、家庭で生活できなくなった子どもたちにとって理想的な生活の場所なのかも知れません。

でも、児童養護施設の課題と重なりますが、閉鎖的な場所でいつでも大人と子どもの上下関係が出来てしまいやすいことを忘れてはいけません。

自分の子どもではなく、家庭で生活出来ない子どもたちを保護者の代わりに養育する、といった大変な仕事です。心に傷を負った子もいれば、大人を信用していない子もいます。

それぞれが難しさを抱えていますが、それでもどんな子どもたちでも、保護された子どもたちが安全で安心して生活できること、子どもたちにとって心が安らげる、自分らしくあれる場所であることが必要です。

自分の子どもではないので、赤ちゃんの時から一緒にいるわけではないし、出会ったその人生の途中から一緒に生きていくことになります。反発されたり、暴言を吐かれたりすることもあるかも知れないし、なかなか心を開いてくれないかも知れません。

それでも、それは子どもたちがそれだけ傷ついてきた証拠、その裏返しなのだということを理解して、子どもたちを見守り、向き合い続けていくことが必要です。

また、施設とは違って、子どもたちのいる場所が夫婦の生活する場所そのものなので、しんどくなった時はパートナーに相談したり、決して一人で抱え込まないことが大切です。

外出して気持ちの切り替えをしたり、自分の心のコントロールも意識してしていかなければならないと思います。

ファミリーホームの今後

夕日が沈む海辺で手を繋いでいる4人の親子

ファミリーホームを運営する夫婦は、高い意識を持って子どもたちを育てなければならないと思いますが、頑張りすぎて息切れしたり、追い詰められてしまったり、心のバランスを崩してしまっては本末転倒です。

子どもたちは18歳を過ぎると、特別な理由がない限りはファミリーホームを出て、自立しなければなりません。18歳という年齢で、自分の力で生活していくのは大変なことです。

自分の親や家族に頼ることが出来ない状況だと、進学や就職、それ以前に生きていくこと自体に不安を感じると思います。そんな時、本当の家族じゃなくても、自分のことを親身に考えてくれる人の存在は心の支えになる筈です。

「今だけ」の一時的な関わりでなく、ファミリーホームから子どもたちが自立しても、その後の人生も関わり続けていけるような、本当の家族のような関係でいられると素敵だなと思います。

大きな施設の形態よりも、グループホームのような小規模な施設、そして、施設よりもファミリーホームのような家庭の中で子どもたちが生活できる場所がもっと増えたら良いなと思います。

そして、ファミリーホームでもグループホームでも大きな施設だとしても、子どもたちにとって自分らしくのびのびと生活できる場所になることを願っています。

ファミリーホームを開設したいと思ったら、まずは施設での経験を積むか、養育里親になって経験を積むことが必要になります。そこで次回は、里親制度について紹介していきたいと思います^^

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