近頃、熊などの動物が人の住む場所に出没し、熊による被害がニュースなどでもよく流れています。
熊が街中に出没すると人の命の危険もあるので、駆除が行われます。しかし、その方法で果たしていいのでしょうか?
被害に遭われた方のことを考えると、人が安全に暮らしていけるような環境を守ることもとても大切だと思います。
しかし、ニュースを見るたびに、人の住む場所に来たことで動物が殺されなければならないことに対して心が痛みます。
どうしてこういったことが起きるのでしょうか?どうすれば動物と人間が平和に暮らしていけるのかについて考えていきたいと思います。
動物の被害

畑の作物を荒らしてしまうキツネや鹿などの動物たち。北海道の畑でも鹿の被害が多く、困っている農家さんもたくさんいます。
そこで、鹿が畑に入らないように触るとピリッと電気が通る電気柵を設置したりします。しかし、鹿は高い跳躍力があるので、それでも被害が出てしまう場合もあります。
あまりに鹿の数が多くなってしまった場合は、猟友会で鹿の数を減らすために銃で射殺することがあります。
また、熊などの動物が出る場合には畑の被害だけに留まらず、人を襲ってケガをさせたり、最悪の場合、死なせてしまう危険性もあります。
本当に困っている農家の人や、熊などの動物の恐怖に怯える人にとっては何とかせざるを得ない問題です。
原因は?

では動物が畑を荒らしたり、山から人の住む町に降りてきてしまう原因は何なのでしょうか?
そのひとつは、エサ不足です。温暖化の影響により、生態系が変化してきており、これまでのように木の実が手に入らないという状況があるようです。
いくつかの木が実をつけない凶作になっています。さらに、温暖化に伴って南方系昆虫が侵入し、実のなる前に種子が落とされ実がならないという被害が広がっているそうです。
ただ、熊の出没はエサ不足だけが問題ではなく、町と山の間にある里山の荒廃が原因の一つとなっています。
昔のように、里山を管理する人がいなくなったことで、熊が里山に降りてきて住みつくようになり、そのことで人が住む街中との境が近くなってしまっています。
対策は?

対策として、人の住む町に降りてこないように電気柵を設置することもできますが、全てを網羅することは難しいです。
人の住む場所と動物の住む場所の境界線を作ることができればいいのですが、その方法は簡単ではありません。
また、人が木を切り倒したり、森を切り開く時に、人間の都合だけでなく、植物や動物の生態系に影響がないかどうかもよく調査したり、考えて行う必要があると思います。
動物被害を減らす有効な方法がない状況では、必要な場合は駆除をするしかなくなってしまいます。
しかし、そんなハンターの数も年々減ってきており、加えてハンターの高齢化も進んでいるため、必要な駆除を行うこともままならない状況です。
動物と人間の共存

動物と人間が共存していくためには、それぞれの住む場所の間に境界線があり、お互いに侵さないことが大切です。
でも、動物はエサの不足など必要があればその境界線を超えてきてしまいます。
そうならないために、食料となる木の実や住処となる森、動物同士の生態系などいろんなバランスをうまく保たなければなりません。
そのためにも、人間が山を切り開く際に山に住む動物たちの住処や木の実のなる木を切り倒して奪っていないか考える必要があると思います。
人間と動物が共存していくためにも、動物にとって必要な住処やエサとなる木の実のなる木や森を守っていくことが大切だと思います。
人間は正義か?

人も被害に遭って困っているとしても、動物も必死に生きているだけです。
人を襲ってしまった場合は、安全を確保するために致し方ないのかもしれませんが、人の住む町や畑に入ることで殺されなければならないというのはあまりにも人の身勝手なように思います。
しかし、動物や人それぞれが血を流さずに平和に解決する手立てがない以上、何もしないか今できることをするしかありません。
畑や人の被害を防ぐために、最低限必要な狩りはどうしても必要になってきてしまうように思います。
ただ、人が常に優先される状況、守られるべきものというのは違うような気がします。人間が正義なわけではありません。
人間も生きるために、作物や命を守るためにどうすればいいか考えたり、できる工夫したり、時には戦うことが必要です。
それでも、動物も人間もそれぞれ生きていて、そこに優劣はないはずです。どちらもそれぞれの場所で安全に暮らしていく術はないのでしょうか?
人間の快適な生活が優先で、邪魔なものは排除する。こんな考え方では共存はできません。
みんなが平和に暮らしていける、その方法を模索し続けることが、「考える」ことができるわたしたち人間の責務だと思います。
そのことを忘れずに、ひとりひとりが考えていけば、みんなが笑って暮らせる解決策もいつか見つかるかもしれません。
わたしも身近なところから自分にできることは何か考えていきたいと思います!
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